Chapter 10. シェルプロンプトの基本

シェルプロンプトを使用する理由

 Linuxのグラフィカルな環境は、過去数年で大きく改善されました。シェルプロンプトを開かなくても、X Window Systemで能率よく作業できます。

しかし、シェルプロンプトから作業を行う方法を知っておくと便利です。シェルプロンプトからコマンドを使用すると、作業をかなり速く行えることがあるからです。GNOMEやKDEのファイルマネージャでファイルを開き、次にディレクトリを移動してファイルを作成、削除、修正するような作業でも、シェルを使うといくつかのコマンドですばやく作業できます。

 このセクションでは、ナビゲーション、ファイルの操作、およびいくつかの基本的な管理タスクの実行を行う方法や、その他のシェルの基本事項について説明します。

 この新しいオペレーティングシステムには、欠かすことのできない構成要素としてシェルが存在します。シェルプロンプトはMS-DOS画面に似た外観をしています。ユーザーがシェルプロンプトでコマンドを入力すると、シェルはそれらのコマンドを解釈して、何をすべきかをOSに指示します。新しいユーザーの多くは、Linuxを習得する段階では、シェルよりもGUIを主に使用して作業しますが、GUIでは実行できない作業もあります。熟練したユーザーは、シェルスクリプトを書くことにより、その能力をさらに広げることができます。私たちはすでに、「シェルプロンプト」や「bash」などの形で、何度もシェルについて言及してきました。ここで、この不可欠なツールについて、もう少し詳しく学ぶことにしましょう。